中国市場の基幹システム移行プロジェクト
日系大手食品会社A社様は、中国市場進出時には日本本社のサーバーを試用していたが、国内拠点が増えたこと、また従業員数が当初の40倍になったこと、中国国内の各拠点間の通信環境の差があまりにも大きく、日本本社のサーバーを継続して使用することが困難となった。そのため、中国現地法人独自の基幹システム、メールサーバー、ウェブサーバーを、中国国内のサーバーの利用して構築することを検討し、結果ペガサスチャイナサーバーを選定した。
取っつきにくい日系大手データセンター
「当初は弊社本社とお付き合いのある日系大手のデータセンターを利用させていただく予定でした。」
こう語るのはA社日本本社システム開発部副本部長のK氏だ。K氏はA社の基幹システム移転事業の総責任者として、日中間を頻繁に往復している。これまでにも海外のデータセンター事業者と頻繁に折衝してきたというK氏は、続けてこう言い切った。
「正直いいますと、我々が海外のデータセンターに求める要素は、4つに絞られるんです。セキュリティ管理、回線品質、サポート体制、そして我々の企業文化との相性です。これまでの経験上、いくら連続稼働率99.9999%とかいっても、 問題が出るときはどうしても問題が出てしまう。問題を出すなと言っても出てしまうものはしょうがない。むしろ問題が出ることを想定してシステムを組まなければならないというのが私達の認識で、冗長化したり分散化することである程度リスク回避することができるけど、さっき言った4つの点、こればっかりは我々ではどうすることもできない。だから我々はこの4つの点を最重要視しているんです。」
そんな中、K氏はいくつかの日系大手のデータセンターを見学したりテスト利用してみたそうだが、一つの大きな違和感を覚えたという。
「なんなんでしょうね、こう、国内の業者さんと話しているのとは全然ちがう感覚なんですよ、最新の技術や最新機器に対しての造詣が深くない、セキュリティ意識も非常に低い。会話の中でうちの競合会社さんの話題とかを言い出したりすることもありました。非常に大きな違和感がありました」
確かに技術や最新機器に対しての造詣が深くないデータセンター職員は、中国では結構おおい。クラウドに対する理解なども日本や欧米に比べて遙かに低い。これは海外の情報にアクセスしにくい事にも起因するだろうが、セキュリティ意識となると話は別だ。
「びっくりしたのは、そんなに遅い時間でもないのにデータセンターの警備員が鼾をかきながら寝ていたり、入管手続きも非効率きわまりなく客を何十分も待たせたり、身分証を持っていないと言っても帯同者の身分証で通してしまったり、出入館記録もなんだか適当な感じで。。日本や欧米のデーターセンターの管理基準とはずいぶん違うな、という印象を持ちました。合弁先の都合とかもあるんだろうとは思いますが、日本で大手といわれるデータセンターでも、中国に来てしまえばこんなものなのかと、 正直あきれ果ててしまいました。それでいて金額は日本以上に高いですし、ラインアップ以外のサーバーなどは扱えない、必要ならSIer入れてくれ、といわれてしまいましたしね。正直ちょっと本当に今回のプロジェクトは大丈夫なのかな、と不安になってしまいました。」
本社初の「大手以外の選択肢」が成功に。
日本とは状況が多きこことに気付いたK氏は、本社と取引のあるデータセンター以外の選択肢を探す必要性を感じ始めたという。日本に戻り、部下や取引先、また旧知の友人などに中国のデータセンターについて聞き回っていった。そんなときに取引先の会社がペガサスサーバーをK氏に紹介したという。
「正直いいますと、はじめは大丈夫なのかな、という不安の方が大きかったです。というのも、聞いたこともないデータセンターですし、いったいどんな会社なんだろう?というのが私の第一印象でした。でもウェブサイトを読んでいくと、他の日系データセンターとは比較にならないくらい結構細かいことが書いてありますし、情報量もかなりのものでした。また、日系大手データセンターからは聞かされていなかった制度上の問題なども事細かに書かれていました。これはもしかしたら、という技術者の直感みたいなものもありまして、その日は既に夜も更けていたこともあったんで、翌日出社後に早速電話で問合せをしてみました。
「はじめは技術的な用件だけ伝えて、対応可能かどうか、ということを簡単に問合せたんですが、非常に明確かつ的確に対応されていたので、技術者上がりの私としては非常に安心感を得ることができました。また実際に対応するエンジニアとサポートの人が連携がとれるのかということが不安要素の一つとしてあったのですが、03の電話番号に電話していたのに、電話を受けてサポートしているのは北京で、実際に今私は北京と話している、ということを知らされたんです。つまり、現地のエンジニアとリアルタイムにコミュニケーションしていたんです。これは大手のデータセンターでも殆どなかったことでしたので、正直かなりびっくりしてしまいました。」
K氏は思わぬ自体に遭遇してしまったが、ペガサスサーバーでは、全てのサポート電話番号は北京サポートセンターに直結しており、北京サポートセンターが全ての技術的司令塔となっている。これは言語面、政策面、およびサポート面で最も高効率かつミスコミュニケーション発生率が最も低いからだ。
「正直はじめに抱いていた嫌な不安はこの電話で大分なくなっていたのですが、実際に回線などを確かめたいためテストサーバーでお試し利用が可能かどうか聞いてみたところ、一週間のお試しが可能とのことで、実際に試用させて貰いました。結果、テストサーバー上では非常に満足する品質であったこと、また我々のプロジェクトで必要な機材や回線などをぶつけてみたんですが、非常に満足のいく対応をいただきまして、私の個人的な感想としては、もうペガサスサーバーでおそらく問題ないだろう、というレベルにまで来ていました。」
しかしK氏は非常に大きな心配をしていた。それはA社の商流上ペガサスサーバーを使うことが許されるのか、ということだ。
「これまでもそうだったんですが、はじめて取引を行う会社とは非常に慎重になるのが我々の会社のスタンスで、ましてや今回は海外の、失礼ながら名も知れない会社、加えて会社の貴重なデーターを取り扱う基幹システムをお預けする、となると上司達が一同に反対を唱え始めまして、説得するのも非常に大変でした。しかし私としては中国のデータセンターを何件も見てみて、ペガサスサーバーのような対応をいただいたことは一度もなかったので、漠然とした確信があったんですが、どうもそれは上司達には伝わらなかったようです。そのうち、なんならお前が現地に飛んで確認してこい、お前が良いと思ったらそこでいい。と言われるようになったもんですから、アポを入れて翌々日に急遽北京にむかったんです。」
K氏が北京に向かったのは、北京でも極寒期といわれる二月上旬。ペガサスサーバーのサポートは、K氏の身支度にまでも及んでいた。
「南国育ちの私は、北京の天気予報を見ていて最高気温がマイナス4度、最低気温がマイナス12度とか体験したことのない数字が並んでいました。ペガサスサーバーさんにお会いするためのアポのメールを書いたところ、服装の注意点などまで細かく書かれていたのにはずいぶん助かりました。それでも寒くてしょうがなかったんですが、担当者の方が服飾市場まで連れて行ってくださいまして、現地試用の防寒着を割安で購入できたので、大変助かりました。」
北京に到着した後、K氏は思いもよらぬ事態に遭遇した。
「本来はデータセンターの参観を希望していたのですが、ペガサスサーバーさんのデータセンターは部外者立入禁止で、内部の参観ができず、外部からのみ見学可能ということを現地で知りました。他のデータセンターでは参観が可能でしたので、問題ないだろうと事前にお知らせしていなかったため、この点は私の落ち度だったのですが、入館手続きや入館スピードを確認しないことには、有事の際の対応が可能かどうかを見極めることができないため、大変困ってしまいました。それで、入館手続きに関してはペガサスサーバーさんの細かい資料をいただくことで回避できたのですが、入館スピードに関しては、データセンターのゲートを超えてから利用させていただいたテストサーバーの電源を落とすまでのスピードを測らせていただくことで解決できました。これらの情報をベースに、帰国後上司に報告し、最終的にペガサスサーバーさんを利用することができました。」
数々の困難を乗り越えてペガサスサーバーの利用を決定されたA社。その後はどうだったのだろう?
「ペガサスサーバーさんのサポート体制や納品スピード、納品後のレポートなど、どれをとっても大変満足のいくものでした。正直我々の要求した仕様はかなり高度な技術力が必要とされ、加えて規模も大変大きなものでした。しかし他の日系大手さんの見積もりよりも低い金額で、それも日系大手さんが対応してくれない特殊仕様のサーバー構成を手際よく納品いただいたのには、本当に感謝しています。ペガサスサーバーさんにしていなければ、このプロジェクトの成功はなかっただろうと、今では上司にも言われており、私も安堵しております。」
御客様プロフィール
日系大手貿易会社様
資本金:80億5000万円
所在地:東京都
事業内容:食品事業、飲料事業など
ご利用サービス:ペガサスチャイナ専用サーバー(大規模カスタマイズ)
※弊社では秘密保持契約および御客様のご利用中サービスの安全上、実際の御客様名の開示はいたしておりません。予めご了承下さい。